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映画、歌舞伎関係のコレクション 店内はさながら風俗資料館
金華通りを北上し、北神保町郵便局のかどを左折する。奥乃庫はすぐ左手だ。丁稚さん風の子どもが本を読んでいる絵がユニークな、青い看板が立っているのでわかりやすい。いままでは近くのビルの6階に店舗を構えていたが、2006年9月に引越し、店舗も1階になった。以前、「将来は1階に店を出したい」と語っていた店主の奥野浩史さん。ついに念願がかなった。
奥野さんは、舞台やライブが好きでよく見に行くというだけあって、店内には、映画、歌舞伎、演劇などエンターテイメント関連の書籍や資料が山積みだ。歌舞伎のプログラムや、明治時代の築地小劇場のプログラム、寺山修司が結成した天井桟敷の機関紙などがある。歌舞伎のプログラムは配役のほかにストーリーの絵つき解説がついて、基本的なスタイルは現在と変わっていない。築地小劇場発行の冊子には、演劇評論も掲載されていて、当時の演劇事情を知ることができる。天井桟敷は、現在の演劇関係者にとっても伝説的存在。ほかにも、戦前に活躍した俳優たちのプロマイドを整理した写真帖、大正時代や昭和初めの東京の風景や、海外の観光地が描かれている絵はがきなどがある。当時の風俗を知る資料としてたいへん貴重で、見た目にもとても楽しい。作家や演出家が明治・大正時代の図案となる資料や文献を求めて来店することも多い。
また、書棚の一角には『とうふの本』や『てんぷらの本』など食事に関係する本が並んでいる。ほかの書棚と比べるとかなり場違いな雰囲気だが、店主曰く、「そもそも戦前までは歌舞伎や舞台は上流階級が嗜好するもの。丸1日かけて観に行った訳ですからね。そういう方々が幕間(まくあい)に食事をするときに参考にしようと、こうした本も集めていたみたいで、芸能関係の本と一緒に、自然と集まってくる分野なんですよ」
奥野さんが最近とくに注目しているのは、名画座と呼ばれる街の小さな映画館や、各地の小劇場。その多くがいま姿を消しつつある。映画好き、演劇好きな奥野さんにとってはとても寂しいことだ。消えゆく名画座や小劇場が忘れ去られないためにも、名画座が独自に作ったパンフレットや、小劇場がプロデュースした舞台のチラシなどを、試行錯誤しながらも集め始めている。
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| 『きもの・簪』 |
| 花柳章太郎(著)/和敬書店/昭和24年 |
| 昭和を代表する女形、花柳章太郎が芸へのこだわりをつづった本。題字が吉井勇、序文が永井荷風、装丁が高木四郎と、豪華メンバーでつくられた。 |
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