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鏡花、荷風、潤一郎などの近代文学が中心 「内容も装丁も美しい本を」が品揃えの基準
古書店街からは少し離れた猿楽町。金華通りを北上し、北神保町郵便局の交差点を右にまがり細い路地に入る。左手のビルの窓に「神田古本横町」の文字。このビルには、「きゅう睛」と「古書すからべ」も入っている。かわほり堂は、1階の一番奥。扉を開けると正面に店主が座っているカウンター。左手にこの店のメインである近代文学の本がぎっしりつまった本棚が並んでいる。2~3人も入ればいっぱいになる広さだ。
2006年9月、共同経営をしていた野村竜夫さんが「臥遊堂」という別の古書店をつくって独立。それまで扱っていた和本や書道、仏教書などは臥遊堂が引き継ぎ、かわほり堂は、泉鏡花、永井荷風、谷崎潤一郎を中心に戦前の近代文学をメインに扱う古書店としてリニューアルした。
店主の福原大介さんは、高校生の時からの古書コレクター。古本が好きで、大学に入って上京してからというもの、毎日のように神保町に通い、古書店主たちに自然と顔を覚えられ、即売会のアルバイトなども頼まれていたという。自分も古書店主になったのは、本を探したり、自分が欲しいと思った本を見つけるには、そうなった方がやりやすいからだというから、生粋の古本好きだ。
そうした“性癖”は今でも抜けず、「売れないと分かっているのに、ついつい自分がおもしろいと思ったものは買ってしまうんですよね」と苦笑する。
近代文学が中心だが、江戸時代の和本もある。集めるときの基準は「内容も装丁も、とにかく美しい本であること」。最近、とくに注目しているのが、彩色された木版画が口絵として入っている戦前に出版された文学書。「今まで木版画の“作品”として、口絵にはあまり関心が向けられてはこなかったけれど、とてもきれいで情緒的な絵が多いんですよ」と福原さん。“美しい本”コレクターならではの目の付けどころだ。
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| 『東西短慮之刃』 |
| 尾崎紅葉(著)/春陽堂/明治35年 |
| 1902(明治35)年初版。尾崎紅葉死の前年の出版。春陽堂は1878(明治11)年に創業し、夏目漱石や尾崎紅葉の著作を数多く出版した。 |
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