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古書好きが高じて本を売る側へ 明治~昭和初期の近代文学を扱う
店主の堀口稔さんの前職は公務員で、もとは神保町の一ファンであった。趣味でこの街に通い詰め、近代文学や趣味本を買い集めるうちに、気が付いたらかなりの蔵書になっていたという。そこで「買う側から売る側になって、別の視点から神保町を見てみたい」という思いから、古書すからべの店主と猿楽町のビルの一室をシェアして、2003(平成15)年の9月に開店した。
扱う本は明治から戦前の昭和にかけての近代文学、趣味、美術書が中心だ。目立ったところを紹介すると、1918(大正7)年の長谷川時雨『美人傳』は平塚雷鳥、柳原白蓮など当時活躍していた女性の評伝。『時事新報』に連載していた久野豊彦の長編経済小説『人生特急』(昭和7年)は、刊行後に発禁処分となった本。他にも、太平洋戦争開戦直前に書かれ、日本の文化と歴史を考え直した保田與重郎の『近代の終焉』(昭和18年)などがある。
この時代の本を扱う背景には、店主の強いこだわりがある。「現在の本は情報として大量に消費されていますが、明治、大正時代の本は数も少なく、高価なものとして扱われていました。そこには『時代』というものが、深く本の内容に反映されていると思います。私は当時の本を扱うことで、それぞれの時代の良さを伝えていきたい。自分で買い集めて大事にしてきた本なので、一冊一冊に自信をもって人に薦めることができます」
単に本を売るのではなく、お客と興味のある本や時代について話すことで、目録だけでは探しきれない本を薦めていきたいと堀口さん。ほぼ毎日仕入れへ出かけるため、来店時間に注意しよう。
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| 大正の女流歌人、柳原白蓮の歌集。装丁は詩画人、竹久夢二。1919(大正8)年刊行で、当時の価格は1円50銭也。 |
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