|
古書店めぐり本来の魅力や 本探しの面白さを提案する
すずらん通りのビルの入り口を5階にあがると、2005(平成17)年1月に移転した古書かんたんむ神保町店がある。今回の移転に伴い、店主であり古書組合の理事も務める田中隆志さんは、書棚を他店に貸し出す「古書モール」を始めた。このため、同店は50坪もあるスペースの一角という位置づけだ。
取扱い分野は古書一般で文学、美術、歴史、趣味から写真集、雑誌まで幅広く、中古レコードや映画パンフも扱う。レジ前のガラスのショーケースには、映画のスチール(宣伝用などに使う写真)が並ぶ。来客層はジャンル、世代を問わない。歴史の中でも近現代史に関心を持っている人が比較的多く来るという。
「今は専門書店やネットで本が買える時代です。けれど、昔からある本来の古書店めぐりの魅力や、本を探して買うことそのものの面白さを提案できる場をつくりたい」と田中さんがそう考えるに至るまでの、古書店経営の歴史はユニークだ。原点は、20年前に新宿で開業した映画チラシ、パンフレットの専門店に始まる。そこから「もっと多くの人に本を提供したい」と思い、地域密着型の大型店7店舗を展開。しかし、大手古書店チェーンの進出により方向転換し、1997年より従来の古書店形態で神保町に店を構えた。
その後、インターネット書店の隆盛で、新たな試みを行う必要があると考え、現在の古書モール型に至る。同店では、一人でも多くの人に古書店めぐりの魅力に気づいてもらうため、来店者の数を増やすことを目標にしている。このため、同店の古書は1000円から1500円前後と購入しやすい価格のものが多く、取扱い分野も幅広い。
 |
 |
| 『エピソードでつづる本のはなし』 |
| 庄司浅水(著)/三修社/1987年 |
| 『百五十年後の革命 最新科学小説全集15』 |
| ロバート・ハインライン(著)、南井慶二(訳)/元々社/昭和31年 |
| 『風の中のキャンドル』 |
| エルトン・ジョン(編著)、バーニー・トーピン(編著)、柴山理香(歌詞訳)/同朋舎出版/1995年 |
| この店らしく、手ごろな値段で買える古書3冊のバラエティ。マリリン・モンローの写真集、昭和31年の科学小説、本にまつわるエッセイ。 |
|
|
|