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明治3年創業の浮世絵の老舗 ギャラリーのような空間が広がる
酒井好古堂は、信州松本の豪商・酒井家の八代目当主・藤兵衛(とうひょうえ)が、1870(明治3)年、神田淡路町に店を開いたことに始まる。「好古堂」とは、藤兵衛の父・義好(よしたか)が親交のあった佐久間象山からおくられた書斎号。義好は書画骨董を愛する文人で、浮世絵師の葛飾北斎や歌川広重とも親交があったという。そんな酒井家の家風をくみ、藤兵衛の店も開店当時から浮世絵の鑑定と復刻事業を扱っていた。
1950(昭和25)年、三代目店主藤吉が現在の所在地、有楽町・帝国ホテルタワー前に移転。この店の店主は代々酒井家の当主が務めてきたが、現在の酒井家当主・信夫氏は松本市にある日本浮世絵博物館館長になったことから、1993(平成5)年、弟の邦男さんが四代目店主を継ぐことになった。 再開発の進む帝国ホテル界隈にあって、1988(昭和63)年に竣工した酒井好古堂の入居しているビルもまたきらびやかな雰囲気をたたえている。ところが中に一歩入ると、落ち着いたギャラリーのような空間が広がっていた。
扱っているものは浮世絵の原画、復刻、カラーシート、スタンド、絵葉書など。作品は一枚一枚がファイルされて、レコードのように並んでいる。原画とは江戸から明治にかけて刷られたオリジナル作品。最近は江戸よりも明治の作品が人気という。これに対し復刻は、新たに版木をおこして刷ったもの。当時の版木は磨耗して刷れなくなると、表面を削って別の作品に使用されたため、現在はほとんど残されていないのだ。たまに海外の美術館から発見される版木は例外中の例外。
原画は美術館かコレクターでなければ購入できそうもないが、復刻は1万円からとお手ごろ。カラーシートは、現在の印刷物なのでもっと安い。スタンドはフレームつきで、ミニサイズながら手刷り。原画が忠実に再現されていて、2500円はかなりお買い得だろう。「写真とは微妙に色が違うので、まずは現物を見てください」。酒井さんはそう穏やかに語った。
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| 実物の浮世絵に比べると、かなり小さくてかわいらしいスタンド用作品だが、手刷り。色彩など、ぜひ実物を見てほしい。 |
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