|
御茶ノ水駅から徒歩0分 山岳、語学、絶版文庫が3本柱
JR御茶ノ水駅から徒歩0分。場所柄、勤め帰りの会社員、付近の大学生、外国人がよく立ち寄る。戦後この場所で創業して以来、御茶ノ水の移り変わりとともに歩んできた。以前は語学書、法律書、経済書が3本柱だったが、現在はこれらにかわって山岳書、語学書、絶版文庫が柱になりつつある。
「僕が子どものころの30年前は、大学生たちがよいお客様でした。このあたりの店はここ10年でずいぶん変わりました。売れない本は思いきって扱いをやめないと生き残っていけません」と話すのは、3代目の吉田浩二さん。それでも、法律、経済関係は書棚4本分を占める。語学関係も書棚4本分あり、マレーシア語、シンハラ語などさまざまな辞書がよく出るという。なかには『音声学大辞典』(三修社)など珍しいものも。
山岳書、山岳文学は2代目・吉田治男さんの趣味だ。写真家、田淵行男の本には一時かなり力を入れていた。著作は何冊か文庫化されたが、デジタル処理で写真の色合いや風合いが似て非なるものになってしまったという。『安曇野』(朝日新聞社、昭和51年、1万5000円)などは、「写真の色がいいね」と絶賛して購入する人が少なくない。意外によく動くのは、仏教、精神世界本だ。「仏教の本の隣に精神世界ものを置いています。隣同士だと相乗効果で売れるんですよ。不思議なことに、キリスト教はそこに置くと売れないので、歴史の棚に入れています」と吉田さんが話す。
硬いジャンルの本がそろっているが、ちょくちょく気軽に立ち寄りたくなるような空気が漂っている。店主の人柄も関係しているのだろう。「昭和30年代から40年代半ばくらいの本が好きです。そのあたりが今、古本の流行りなんですよ。第一、装丁がいいじゃないですか」と、気さくに話してくれた。
 |
 |
| 『スウィス日記』 |
| 辻村伊助(著)/講談社/昭和52年 |
| 『チベットの七年』 |
| H・ハーラー(著)、近藤等(訳)/新潮社 人と自然叢書/昭和32年 |
| 『ヒトラーとナチス 第三帝国の思想と構造』 |
| H・グラーザー(著)、関楠生(訳)/社会思想社/昭和54年 |
| 『チベットの七年』はブラッド・ピット主演で1996年に映画化された映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の原作。 |
|
|
|