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漢文・漢詩・古典籍を 丹精込めた和本修繕で慈しみ続ける
神保町古書店街の一番西の端にあるこの店は、創業1890(明治23)年と、1世紀以上続く老舗である。靖国通りに面した店の両隣は、ハケ・ブラシの専門店と武道具の専門店で、この三位一体の感じが味わい深い雰囲気をつくっている。
ここでは漢詩、漢文、和本、中国文学を中心に扱っており、店内には漢字の世界が広がっている。うずたかく平積みにされた古典籍が壁両側を占めており、貴重本が置かれているレジ奥の板の間には靴を脱いで上がることができる。これらの品々の仕入れはほとんど市場から。持ち込みは歓迎とのこと。
店の客のほとんどが、中国文学や古典を専門とする大学の教授だという。特に「荒城の月」の作詞で知られる土井晩翠氏とは、初代店主の頃から親交が深く、店内には同氏からの葉書が飾られているほど。現在は店主の野田京子さんを中心に三人で店を盛り立てている。
古典籍の専門店では珍しい女性店主の野田さんは、和本の修理を丁寧にこなす。 「和本を修理している時間が一番楽しくて。どうせ買っていただくのだから、できるところは一生懸命手直しします。でもそうなっていざ買われるとなると寂しくなってしまいますね。娘を嫁にやるような気持ちです」
いらない和本の表紙を何枚もストックしておき、それを裏から見えないようにあてて表から修繕していく。 「この、裏紙をあててすっかり乾いたときのぴん、とした感じがたまりません」と顔をほころばせる。
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| 『李太白詩集』(全5巻) |
| 近藤元粹(編)/靑木嵩山堂/明治42年 |
| 1909(明治42)年に編纂された和本。この本もやはり、丁寧に補修し直されている。漢詩を勉強するならこれ、と店主おすすめの1冊。 |
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