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戦前、昭和30年代までの漫画を こよなく愛するオヤジのために
「古本屋が絶版漫画を扱ってきた歴史は長くないよ。せいぜい30年、35年ぐらいかな」という店主・橋畑勇さん。神保町に来たのは90年代終わりだが、古書店歴は4半世紀以上になる。扱うのは、戦前から昭和30年代までの漫画である。「うちは、オヤジが好きな漫画一筋だね。子どものころを懐かしがって、50代、60代が読むような漫画。古い漫画は匂いからして違うの。盆栽も好きだけどさ、盆栽と漫画は古いのに限るよ」
力を入れているのは目録販売。年3回発行し、さらにミニ目録も年3回出す。表紙は、知人のイラストレーターに昔っぽい漫画のイメージで描いてもらっている。福島鉄次の『砂漠の魔王』全9巻(150万円)は目録に掲載したときは売れず、その後、沖縄の人が店頭で購入していった。ホームページも開設していて、全国の漫画好きに絶版本を届けている。
「古本屋は自分が見たことがある本をやってもダメだよ」という言葉を裏付けるかのように、日本に2、3冊しか現存していないと思われる漫画もここにはある。何十万円、何百万円もする漫画でも、欲しい人にとってはどうしても欲しいものなのだろう。それでも案外流行り廃りがあって、旬を過ぎると値が下がるのだとか。売る側も楽ではない。漫画が日に焼けないよう、ガラスケースにかけてある布をはずしながら語る。「うちを撮影するならガラスケースの中だけでいいよ。ほら、見てみなよ。昭和の漫画ってのは、こういうのを言うんだよ。新しいのは『漫画』とは言わない、『コミック』だな。チャラチャラしたのは面白くないよ」
最大の悩みは、古い漫画が市場にあまり出回らず、入手しにくいことだとか。 「先行き暗いね。前に、父親が持っていた漫画を買ってくれますかって若いのが持ってきて。『10万円だな』って言ったら『えー、マジっスか?いいんスか?』って言うから『マジっすよー』って喜んで買い取ったよ」。言葉はぶっきらぼうだが、漫画に対する愛情は深い。傷んだ本の修理を有料で引き受けていた時期もあったという。今も、修理はお手のものだ。
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| 『鉄腕アトム ~少年新年号ふろく~』 |
| 手塚治虫(著)/光文社/1965年 |
| 昭和40年「少年」新年号の付録。B6版。「少年」は昭和21年創刊の月刊誌。「鉄腕アトム」や「鉄人28号」が連載されていて、人気だった。 |
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