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大作家との交流も深い 神保町で一番の老舗
神保町のシンボル的存在である神田古書センターの玄関口に店舗を構えるのがこの店。1875(明治8)年の創業で、現在の店主は五代目という。この街で一番の老舗であり、能や狂言といった伝統芸能や日本史、さらに美術を扱い続けている。大作家との交流が深く、司馬遼太郎は『坂の上の雲』の資料集めにこの高山本店を通した。
「時代小説は推理が勝負。そのための真実・材料として、いかにその時代の社会環境などを克明に記したものが大切か。いかに信用出来る資料を集められるかが、小説の質にも関わってくるのではないかと思います」と、店主の高山肇さんは語る。
伝統文化に関するものとして、能の書物や能面、謡(うたい)本まで専門性の高い品ぞろえを誇る。訪れるのは実際に謡に携わっている人や、ゆっくりと能版画を見ていく外国人などが多い。ここには能の入門書もそろっているかと思えば、1908(明治41)年に限定130部で発行された『謡曲御本』(美濃版、300万円)のような貴重な逸品もある。謡本は昭和40年代以降のものがよく売れるという。
8年前に娘の牧子さん、3年前に息子の剛一さんが店に入るようになり、今では牧子さんも査定を行っている。「あとはもう娘と息子に任せますから」と高山さんは笑う。高山さんはこれからの古書業界を次のように見ている。 「趣味的なアイテムの価値が上がっていくだろうね。データで見られるようになっていく資料よりも、コレクターやマニアの心をそそるようなものが生き残っていくのではないのかな。その楽しみがある限り、古書は不滅ですよ」
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| 明治時代の能画の1つ。自殺した女が化けて出てきたことを表している。「能は、綺麗な衣装を身につけていても実はおばけ、なんてこともあるんです」(高山さん) |
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