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浮世絵と現代版画の老舗 ちょっと粋な絵の楽しみ方
秋葉原から中央通りを北へ、地下鉄末広町の駅を信号2つほどすぎた東側。額縁店、エスニック家具店とならんで、ちょっとおしゃれな一画をつくっている。ビル1階の落ち着いた和風の内装は、老舗の和菓子屋と見紛うばかり。 中嶋尚美社は1924(大正13)年、浮世絵の版元で修行を積んだ現店主の祖父が開業した。今の建物になったのは昭和の終わりのこと。現店主の中嶋庸浩さんは子どものころから浮世絵のなかで育ち、大学卒業とともに二代目である父のもとで修行を積んだ。三代目店主として店を任されることになったのは2000(平成12)年のことである。
扱っているものは江戸時代のオリジナル版画(浮世絵)、その復刻、そして現代作家。オリジナルの浮世絵は10万円を切るものから自動車が買えそうな値段のものまである。三代目豊国と広重の作品が人気だが、有名浮世絵師の作品でも図録や資料に掲載されていないものが今でも時々出てくるという。 復刻は6000~8000円と、かなりお手ごろ。ちなみに復刻とはオリジナルをもとに、新たに版木をおこし、刷り直したものをいう。版木は古くなると削って別の作品にリサイクルされるため、オリジナルの版木がほとんど残っていない。復刻といってもオリジナル同様、人の手で刷られていることにかわりはない。
現代作家も7000~3万円とお手ごろ価格。「結婚祝いや新築祝いに使われる方も多いですね。A4サイズ大の作品(2100円)は、台紙に手書きのメッセージをそえて、クリスマスカードにされる外国の方もいらっしゃいます」と店主の中嶋さん。なかなか日本人には思いつかない使い方だ。 「江戸時代の浮世絵には、花など、季節感がよく出ているので、季節に合わせてお部屋に飾ってみてはいかがですか」。そう中嶋さんは穏やかに語った。騒がしい外神田の街にありながら、店にも店主にも、訪れる者をほっとなごませてくれる何かがある。
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| ニッカウヰスキーのラベルデザインで知られる故奥山儀八郎の作品。モノクロではあるが、濃淡を出すために何枚もの版木を使用している。 |
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