BOOK TOWN じんぼう 「本の街」神田神保町オフィシャルサイト
波多野書店(はたのしょてん)
[古書全般] マスコミ、一般文科系、文芸
硬派な店主が守り続ける
本当のジャーナリズムの姿

 神保町の古書店街のはずれで、マスコミ・ジャーナリズムという分野の専門書を扱うこの店は昭和24年の創業。現店主、波多野博司さんは元共同通信の記者。
「現代のマスコミは本来の仕事をしていない。最近の若者もそれを見てマスコミを目指すから、どんどん薄っぺらなものになっていくんだ」と、頑固なまでに言い放つ波多野さん。表面的でなく、もっと深く一つの学問として“マスコミ・ジャーナリズム”に対する理解を深めてほしいという波多野さんの思いは、書棚によく表れている。

 そう広くない店内の半分は、最近になって仕入れるようになったという一般社会科学系の本で占められている。主に入り口から入って右側部分が、マスコミ・ジャーナリズムに関する本のコーナーだ。天井に届きそうなほどの高い書棚に本がぎっしり。また、その本棚の前には今にも崩れそうなほど目線近くまで高く積み上げられた本の山。『通信社史』、『日本の新聞百二十年』、『ジャーナリズムの政治的機能』といった“正統派”の本が並ぶ。日本新聞協会の工務委員会が1978年に編さんした『新聞製作技術辞典』も目に入った。

 マスコミ・ジャーナリズムといっても、ここには選ぶ基準がある。たとえば一過性のマスコミ論は置かれていない。ルポや紀行文もわずかだ。あくまで硬派な視点でジャーナリズムを論じる本や、新聞や通信の歴史といったいわゆる資料本に徹底している。こうしてみると店全体から、現代のマスコミが放つ華やかなイメージを払拭するかのような感じが漂う。

 何かおすすめ本を購入したいと言うと、そういう目的では売れない、と一喝されてしまった。たとえ一冊であっても、本当に意思があってこの本が欲しいという人に売りたいのだ、と淡々と波多野さんは話す。しかし、おすすめ本を教えてほしいと言うと、快く応じてくれた。昭和40年刊の小和田次郎の『デスク日記』全5巻で4000円。これは朝日新聞の記者であった著者が、現役時代の日常を綴ったもので、「これからマスコミを学びたい人が読んでくれたら」と、願いを込めるように説明してくれた。

 
店舗データ
千代田区神田神保町2-7
TEL:03-3261-7596
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営業時間/休日
11:00~18:30/日
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