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日本文学に関する奥深い品ぞろえ 肉筆原稿や世界最古の印刷物も
八木書店の創業は1934(昭和9)年。日本の文芸・文学、および文化に関する奥深い品ぞろえが特徴だ。国文学関係には大学の先生や大学院生、肉筆原稿にはコレクターや趣味人、そして国語学には外国人の顧客も多い。
「世界で一番古い印刷物、知ってる?」 突然の質問にうろたえながら、「あの、仏塔の中に紙が丸まって入ってるやつでしたっけ…」と答えると、古書部店長の八木朗さんは「正解!」と言って目録を広げた。 「百万塔陀羅尼といいます。奈良時代につくられたもので、世界最古の印刷物。名前の通り100万基あって、当時の大きな十の寺に10万ずつ分けられた。そのうちのほとんどの寺は焼かれたり戦国の騒乱に巻き込まれたりして、残ったのは法隆寺の10万基のうちの数万基のみ。そしてその法隆寺が1908(明治41)年、再建の費用を捻出するのに3000基を売りに出した。これが、今市場に流れているもののほとんどね。当然それも、戦争やら震災やらでだいぶ減ってしまった。うちにあるのは、その残ったうちの13基。こんなに持っているのは、世界でもうちだけじゃないかな」
八木さんの口からは、ちょっと聞いただけでこんな興味深い話がすらすらと出てくる。そのほかにもこの目録には、美術館や博物館でしか見たことがないような、絵巻物や写本などがずらり。まるで日本史の資料集のようだ。 3階のスペースでは、催事も多く行われる。 「例えばお札が変わったとき、ここでいち早くやったのが『漱石と一葉展』。肉筆原稿とか書簡とか、そういった珍しいものを皆さんに見ていただき、買っていただく。きっかけはお札であれ、彼らがどういう人だったのかを知ってもらいたいと思うし、実際に一般の関心も高まるんですよ」
時代の流れへの対応も早い。1997(平成9)年には、全ての商品をバーコードで管理するため、なんと2ヵ月も休んで作業にあてた。ホームページの立ち上げも、おそらく神田で最初では、とのこと。 「古書はそれぞれひとつしかないから、やっぱり実物に触れて初めて分かるというところがあります。これからも常に時代に追いついていきたいと思います。まずはぜひ、うちのホームページを見てください」
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| 平野謙 自筆葉書 |
| 光永鉄夫宛/ペン字6行/昭和29年12月26日 |
| 戦後を代表する評論家のひとりである、平野謙の自筆の葉書。献本の御礼として出された簡単な内容であるため、比較的手ごろな値段で買える。 |
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