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店主は三島文学の研究者 全国の大学の「赤本」もそろう
中央の書棚を境に、左手は文学書、右手は受験参考書と、全く異なるジャンルの書籍がぎっしり並ぶ。文学書コーナーで、まず目につくのが、三島由紀夫コレクション。というのも、店主、山口基さんは三島由紀夫の研究家として知られた存在なのだ。通っていたジムと近いこともあり、生前の三島本人がよく来店したそうで、その頃から親交が始まった。
山口さんは、半世紀にわたる研究の集大成として、2005(平成17)年に、いずれも私家版の『三島由紀夫作品総覧』(全3冊、2万1000円)と『三島由紀夫研究総覧』(全2巻、価格未定)を上梓。完成時には、国立国会図書館をはじめ、国内外の図書館からも多くの問合せがあったという。また、三島の直筆サイン入り本ほか、『潮騒』(新潮社、昭和29年初版)や『豊饒の海四部作』(新潮社、昭和44年初版)など、ファンにはたまらないレアものも数多い。
さらに、『お吟さま』で直木賞をとった今東光作品も品ぞろえが豊富で、『順徳天皇』(有光社/昭和18年初版)といった希少本も。そのほかケネディ関連の文献や、アメリカ、ドイツ、イギリス、イタリアなどの外国文学も充実している。おすすめを聞くと「アーダルベルト・シュティフターの『感想集』(足利書院、昭和23年)かな?」と即答し、書棚からひょいと一冊を取り出して見せてくれた。オーストリアの作家であるシュティフターの作品は、現在、絶版・入手困難のものが多いなかで、このような作品が即見つかってしまうのもこの店の面白さかもしれない。
また、受験コーナーは、受験生のバイブル、『赤本』が書棚から通路にはみ出して山積み状態。ここには、国公立をはじめ、私立、医療系大学など全国に約709校(文部科学省調べ)あるうちの約400大学の赤本が集まっている。そのため、都内はもちろん地方の予備校からも多くの問合せがあるという。 店内奥のレジの後ろには、在りし日の三島と並ぶ先代夫妻を収めた写真が飾られている。三島の没後、1971(昭和46)年に出版された『蘭陵王』(新潮社)に、この店が登場する。三島文学の魅力を今に伝える店として、日本文学に対する貢献度も計り知れない。
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| 『凱旋門』(上・下巻) |
| レマルク(著)、山西英一(訳)/新潮社/上巻 昭和41年、下巻 昭和45年 |
| 『西部戦線異常なし』でも知られるレマルクの作品。1952年、イングリッド・バーグマンとシャルル・ボワイエが共演したアメリカ映画でも話題になった。 |
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