BOOK TOWN じんぼう 「本の街」神田神保町オフィシャルサイト
有文堂書店(ゆうぶんどうしょてん)
[古書全般] 古書一般
歌舞伎につよい
白山通りの老舗

 神保町で修行を積んだ先代が1917(大正6)年、水道橋駅前にオープンした、白山通りの草分け的存在。店舗は終戦直後に建て直したもので、現在では貴重な町屋木造住宅である。幅1間、奥行き2間ほどの店には書籍が入りきらず、店頭や脇の路地にまで本が並んでいる。古くて小さな店にもかかわらず、若い女性から年配の男性まで、通りすがりの人たちが次々と店の中をのぞいていく。

 入口の右側には「チボー家の人々」が平積みに、壁の書棚には経済学、法律、外国語辞典など専門的な書籍が並ぶ。奥には哲学書もある。一方、左から入ると、近松門左衛門全集をはじめ、書棚には歌舞伎、能楽、演劇と芸能関係がならぶ。古代史関係も少し(20冊ほど)ある。平台にも歌舞伎の写真集や入門書が積まれている。書架には文芸書もあるが、まわりに個性的な本が並んでいるだけに存在感が薄い。

 昭和49年(1974年)に店を継いだ江戸っ子の二代目店主の木下長次郎さんは、無類の伝統芸能好き。独身時代には歌舞伎役者と親交もあり、招かれて地方公演に半月つきあったことも。取材時も、先代片岡仁左衛門とその息子たちの芸風について語り続けた。
「昔は芝居の本がもっとたくさんあって、ある作家から『よく集めたものだ』と、ほめられたよ」と木下さん。名前を明かしてもらえなかったが、背が低くて筋骨隆々というから、三島由紀夫だろうか。三島も『卒塔婆小町』などの戯曲を書いている。「後楽園にジムがあって、その帰りに30分は話し込んでいったな」。店主は芝居好きのお客さんに、もっとたくさん来てもらいたいようだ。

 仕入れはほとんど、古書組合の市場から。価格は全集や写真集などをのぞいて、1000円未満だ。専門店ではないが、店主と歌舞伎や芝居の話に花を咲かせるのも、この店の楽しみ方のひとつだろう。

3,000円の予算でこんな本が買えました!
『松緑芸話』
尾上松緑(著)/講談社/1989年
店主との舞台話は尽きることが無い。昔は特にこういった舞台関係の本を多く取りそろえていた。作家の三島由起夫が何度か訪れたとか。
 
店舗データ
千代田区三崎町2-8-12
TEL:03-3262-5748
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営業時間/休日
10:30~20:00/不定
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